オリンピック・パラリンピックが終結した。
コロナ下の開催には議論もあったが、
半世紀ぶりに日本で開催されたこと、
想定よりもコロナは拡大しなかったこと、
そして日本勢がオリンピック史上最多の58個(パラリンピックは51個)
ものメダルを取ったことを、
日本人としてとても嬉しく、また誇りに思う。
だが、今回の五輪ほど、
「縁の下の力持ち」であるボランティアが必要だった
オリンピックはなかっただろう。
なにせ、通常ですら大変な一大イベントに、
さらにコロナ対策が必要だったのだ。
医療関係者や警備従事者等を含め、
多数のボランティアの献身的な協力がなければ、
この環境下で五輪を成功裏に行うことなど、
到底出来なかっただろう。
それこそ企画から会場の設営、準備、
当日の手配、警備、送迎、案内、世話、
通訳から臨機の対応、
そして終了後の片づけに至るまで、
ものすごいボリュームの作業がボランティアによってなされている。
これらの、TVには映らないボランティアの方々の献身的な活動がなければ、
選手が活躍しようにも、その舞台すらなかったのだ。
そういう意味で、
今回の五輪の本当の金メダルは、
この困難な中でリスクを負ってボランティアを買って出てくれた、
無数のTVに出なかった方々に捧げたい。
数々の感動の場面を裏で支え、
素晴らしい五輪を実現してくれたことに、心から感謝申し上げる。
そして、この「縁の下の力持ち」という役割は、
中小企業にも同じことが言える。
どういうことか?
上場している大企業は、いわばオリンピック選手のようなものだ。
日本の企業のうち0.1%しかないエリート企業が、
国内でしのぎを削りあい、予選を勝ち抜き、
国際舞台で海外勢と戦う。
中には、トヨタ自動車やソニーグループのように、
ビジネスの世界でも金メダルを取れる日本企業もいる。
それはそれで、日本人として誇らしいことだ。
だが、その縁の下の力持ちとして、
99%超を占める非上場の中小企業の多くが存在する。
中小企業は、決してTVに出てくるわけではない。
その地域ですらよく知られていないことも多い。
だが、多くの大企業を技術やコストで支え、
地域の多くの雇用を支え、
国のために多額の税金を納め、
そして地域社会の支えになっている。
そんな縁の下の力持ちの中小企業が、
事業承継問題で次々となくなってしまったら、
五輪どころの話ではない。
中小企業に支えられている大企業だって、無傷では済まない。
子や孫の未来は、とんでもなく暗いものになってしまうだろう。
今回の五輪では、下は19歳から上は91歳まで、
延べ7万6186人(オリンピック5万1672人、パラリンピック2万4514人
ものボランティアが参加したという。
また、ボランティア以外でも、
多くの国民がコロナの感染拡大の影響を抑えるために、
自己の欲求よりも社会の安全を優先して、
TVで観戦していた。
そういう意味で、日本の国民が総出で支えた五輪だったと思う。
「本当に大事なものは、目に見えない。」
昔、恩師に教わった言葉だ。
日本人には、まだ社会や、子や孫の未来を思う美しい心が残っていると、
我々は信じている。
そして、日本の国民が総出で支えれば、
いまならまだ事業承継問題の解決は可能だと、
我々は信じて、日々活動している。
オリンピックを通じて、見えないものの大事さを再認識した期間だった。
あなたもこの機に、
目に見えないがあなたを支えてくれている大事な存在に、
目を向けてみてはいかがですか?