あけましておめでとうございます。
さて、新年早々ではありますが、2026年2月5日(木)に、当機構設立時にお世話になったさわかみグループの澤上篤人氏を講師にお招きして新春セミナーを開催することになりました。その題は、「50年のバブル終焉。市場の『大逆回転』に備えた資産形成術」。当機構の事業に株式市場の動向はほとんど関係ないので普段は取り上げないテーマですが、AI 銘柄の株価暴騰の裏側で年金や保険、銀行など一般生活者の資金が多額投じられていること、かつてリーマンショック時に来た道である格付けの粉飾疑惑が発生していることなど、本来は実体経済の体温計にすぎない株式市場ですが、いまや株式市場が崩壊すると実体経済にも大きな悪影響が及ぶほど累積したリスクがたまっています。その市場が大逆回転した際には当機構が取り組む中小企業にも影響が出てくるため、今回は同テーマでお話し頂くことになりました。また、当機構では、このショックがいつか発生することを一定程度事前に想定して計画に組み込んでおり、逆に機会としてどう活用していく方法も日々議論を重ねて着々と準備を進めております。大変興味深いセミナーになると確信しておりますので、お時間が許す方はぜひ下記リンクから登録の上でご参加いただければと思います。
さて、本題に入りましょう。
最近、「JSKと似ている会社が複数あるようだが、どこが違うの?」と聞かれることが増えてきました。当機構が15年以上の研究開発を経て本ビジネスモデルを開発して以降(他社も皆さん自社開発だと言うでしょうが。。。) 、永久保有を掲げて事業承継に取り組むという会社は続々と増えており、いまや数十社になっていると思われます。その中には、明らか意図的に当機構と名前を似せて名付けた会社や、当機構が5000社を掲げるならうちは1万社だ、と意気軒高な会社もあります。私個人としては、日本の事業承継問題の解決に本気で取り組むプレーヤーが増えるのは歓迎すべきことであり、日本の子や孫にとっても良いことだと思っていますが、他方で昨年TVで報道されたような詐欺的な行為を行う悪い会社も出てきていますので、皆様が心配されるのもごもっともだと思います。
そこで今回は、JSKと同業他社の違いを、JSKのホームページにも公開されている企業理念に沿ってご説明するとともに、新年度における新たな所信表明とさせていただこうと思います。
まず、当機構の企業理念は下記の5カ条です。
・雇用と経済を、子や孫の未来に残そう
・成功し、税金をたくさん納めて、安全を子や孫の未来に残そう
・残りかすの利益は文化や伝統の維持に使い、お金のかっこいい回し方を子や孫に示そう
・常に、Win-Win-Win-Win-Win-Win を考えよう(仲間-取引先-債権者-国家-株主-未来)
・死ぬ時に、生まれ変わってももう一度やりたいと言える仕事をしよう
当機構の理念は2018年の設立以来継続的にホームページに掲載しており、当機構の書籍その他でも広く発表しており、 また設立以来1文字も変わっていません。そして、 この理念は当機構の不変の憲法として社員の日々の判断や行動の基準になっており、社内ではこの企業理念の浸透を小集団活動などを通じて日々図っています。 その内容は、一見当たり前のことと感じる方もいるかもしれませんが、よく読み込んでいただくと今の資本主義の当たり前とは逆方向の事も多いので、その点を1つずつご説明していきたいと思います。
・雇用と経済を、子や孫の未来に残そう
当機構の全活動の第一にして最大の目標です。さて、ここでちょっと立ち止まって、考えてみて下さい。「皆さんの会社における第一の目標は何ですか?」(もしわかりにくければ、「日々上司から達成しろと言われること」は何ですか?) 。答えは様々だと思いますが、それは上場企業の社長だったら「株価の上昇」でしょうか? 役員だったら「業績(利益計画の達成)」でしょうか?部門責任者だったら「数字(新規開拓、歩留まり向上)でしょうか? あるいはいまの時代だと「DX推進」という方もいるかもしれませんね。
さて、 皆さんの会社の目標と、当機構の目標の違いはなんでしょう? これまで調べたところによると、大きく3種類あることが多いとわかっています。第一に、 「自社(自分)の成功が目的ではないこと」、第二に、「子や孫の未来が時間軸であること(今期や今四半期ではない) 」、そして第三が、「残すことが使命であること(成長させることではない) 」です。
この第一の目的は、 そのまま同業他社との決定的な違いでもあります。 たとえば、いくつかの同業他社は上場していますが、上場したら当然に一般株主のために株価を上げる義務が生じます。ただ、 目先の株価を上げるために経営することと、 長期目線で従業員他のために経営することの両立は非常に困難であり、相当にうまくやらない限り失敗することが多いのが歴史の教えです。私はこれまで上場を7回経験してきており、 そのメリットもデメリットもよく理解している方だとは思いますが、現状の当機構にとってはデメリットが上回ると判断し上場しないという方針をとっています。
実際、ある中小企業の創業者の方は、その上場企業とJSKのどちらに承継するかを迷っておられましたが、ある時、「上場企業として市場のプレッシャーを常時受けながら子会社やその従業員を永久に大事にするなんて、 できるわけがない。 それなのに上場するなんて、支離滅裂だ。自分たちが金持ちになることを企業理念よりも優先する会社は信用できない。だから、JSKに決めた」と、当機構を選択されました。自分自身や企業の評価よりも従業員等を大事にして、長期的な目線で日々経営を真剣に行ってきた創業者の方ならではのご判断だったと思います。
・成功し、税金をたくさん納めて、安全を子や孫の未来に残そう
当機構は理念優先でソーシャルビジネスを行っていますが、その事業を小さな取り組みで終わらせては、日本の事業承継問題の全面的な解決はできません。 だから当機構の2番目の理念の前段では、「成功」「納税」を掲げています。実際に、7期目には200億円超の売上を上げ、30億円超の税金と社保を国に納めるなど、まだまだこれからですが実績も徐々に出てきています。
なぜ「納税」をわざわざ企業理念として掲げるのか? それは同理念の後段の「安全」が機構が直接担えるものではないからです。ここでいう安全とは、警察、消防、道路、水道、港湾、防衛など、国や自治体が担っている分野を指します。これらの安全にかかわる分野で民間企業ができることは当機構に限らず少ないですが、子や孫のためには安全は非常に重要です。その現代日本人にとって「当たり前」の安全な日本を、子や孫のためにも残してあげたいと思っています。だからこそ当機構では(承継先を含めたJSKグループ全体で)、きちんとビジネスを成功させ、 税金を堂々とたくさん納めること(そしてその税金を国や自治体にきちんと正しく子や孫のために使って頂くこと) を理念としています。 世の中には少しでも現金を残そうと過剰な節税活動などに躍起になる企業もありますが、当機構はそれらの企業とは理念の段階から一線を画しているということです。
・残りかすの利益は文化や伝統の維持に使い、お金のかっこいい回し方を子や孫に示そう
当機構の理念は第1と第2で7割であり、その事業活動の結果残る利益は「残りかす」と位置付けています。当機構の使命は「子や孫に雇用と経済と安全を残すこと」であり、それ以外にありません。しかし、その使命を追及して成し遂げた結果として当機構が成功すれば、「利益はどうしても残ってしまうもの」なのです。この考え方は、ともすると「株主利益こそすべて」となりがちな一部の上場企業や営利企業とは真逆であることが多く、なかなか理解いただけないかもしれません。ただ、「先義後利」という言葉が古くからある通り、自然界の原則に則って真面目にこつこつと義を果たせば、後から利は必ずついてきてしまうものだと、私は信じています。それは、かのガンジー翁が「杖と情熱しか持っていないやせ細った男」と言われながらも、ついには大英帝国からのインドの独立を勝ち得たことなどで歴史上何度も示されているとおりです。
大義を成して利を得たとき、その利をどう使うかで、その人の本当の人格が現れると私は思っています。よく当機構のシニアに半分冗談で言われるのが、「 (同業他社の社長のように)社長が高い服を着て、高級車に乗ってきたら、俺は辞めるよ」と言われています。それは当機構の理念に反する行動だからだそうです (ちなみに私は車を持っていません。また、そう言われた日に私が着ていた服は、下着から上着まで全部GUかユニクロでした。。。ユニクロ恐るべし!)。
書籍でも書いているので隠さずに言うと、若い時分は私も 「お金がすべて!」とギラギラしていた時もありました。しかし、若くして生死の境をさまよった経験から、 お金や自己の成功への執着がすーっと消え、いまは本気で「この大義をどう成し遂げ、その利をどう使えば子や孫のために最大の効果を生めるのか」を日々考えて生きるようになりました。
さて、利の使い方ですが、 まず社員の福利厚生や労働環境の改善、設備投資等に惜しまず資金を使っています。中小企業では大企業よりもより一層「人がすべて」であり、その方々が活躍する舞台を整えるのは、 当機構の一丁目一番地の命題です。 特に今後の日本ではシニアの活躍が国としても中小企業としても1つのカギになっていくため、「日本一シニアが活躍できる企業」を目指しています。 このような取り組みは 「若手が自己の成功のためにギラギラと働く」他社ではなかなかない取り組みだと思います。それでも残る利益は、文化や伝統の維持に惜しまず使っていきたいと思っています。 前期にはじめて、 歌舞伎等を行う久留米市の文化会館維持に向けた寄付や、さわかみグループがオペラ振興に協力している徳島市に寄付を行ったのは、その一例です。まだまだ当機構の規模は小さく、社会から見ればほんの小さな金額ではありますが、 それでも各市長から表彰を受け、丁寧に御礼の言葉を頂き、ようやく理念の実現に一歩を踏み出せたと実感しております。当機構が事業承継を行い、成功することで残ってしまう利益は、 このように子や孫の未来にとって必要だけれどもなかなかお金が回らない資本主義のみなしごの分野を中心にどしどし振り向けていきます。そのような、 一見資本主義に逆行する分野に再投資を実行していくことにより、日本の文化や伝統の維持に貢献しながら、 利殖目的だけではない、こんな 「かっこいいお金の回し方」もあるんだよ、 ということを、子や孫に背中で見せることで伝えていきたいと思っています (このような取り組みをしている同業他社も少ないのではないかと思います)。
・常に、Win-Win-Win-Win-Win-Win を考えよう(仲間-取引先-債権者-国家-株主-未来)
第5は、6Win(シックスウィン)を考えることです。それは、Win-Winでも、3方よしでも、もはや令和の時代においては足りないからです。また、この6つの要素のうち、あえて1つは次元の違うものを入れています。それは未来です。子や孫のために仕事をする以上、常に未来を考えて、「広く・深く・遠く」考えて行動しようというのが、当機構の理念です。それは、一部の営利企業に見られるような「今すぐ、俺(株主)がもらう。未来や他人のことは知らん」という考え方とは、一線を画するものです。また、未来の時間軸が3年や5年ではなく、100年という超長期目線であるところも、他社との違いかもしれません。
・死ぬ時に、生まれ変わってももう一度やりたいと言える仕事をしよう
最後は、臨死体験をして私が個人的に学んだ人生訓でもありますが、同時に、「当機構に関係するすべてのステークホルダーの方にも幸せになって頂きたい」ということでもあります。当機構はシニアが中心の会社なので、ほかの会社よりも「生まれ変わったらどうしたい?」ということをリアルに考えられる方が多いのですが、そのシニアメンバーに本音を聞いてみると「もっと金を稼ぎたかった」とか「もっと裕福に過ごしたかった」という意見は皆無です。 成熟した大人が多いことから、目的や価値観も金銭から自己実現や社会貢献の域に昇華している方が多く、「自己実現を超えて、 社会貢献のために尽くしたい」 「子や孫に何か1つでも残してあげたい」という方が多いです。
ある創業者との面談において、社会的には相当に成功してきたあるシニアのメンバーがこんなことを言っていました。 「これまでの40年は、所属していた会社での成果と昇進を目指してがむしゃらに仕事をし、自分の成功を勝ち取ってきた。ただ、その過程では、「2年連続で計画未達なら事業は閉鎖、 売却して社員は全員解雇」といった厳しい会社ルールに従い、個人的にはおかしいと思いながらも、社命に従い非情に実行してきた。その贖罪の思いもあり、「転売なし、統合なし、リストラなし」を掲げて活動するJSKに参加した。いまJSKで働けていることはそれだけでありがたいし、実際に元同僚達からも羨ましがられる」このようなメンバーに、本当に「生まれ変わってももう一度JSKでこの仕事をやりたい」と思ってもらえる環境を創ることが社長の私の役割であり、責任だと思っています。
以上、5つの点から当機構と同業他社の違いをご説明してきましたが、ご理解頂けましたでしょうか?
2月5日のセミナーでは、澤上篤人氏のあとに私も「26 社を承継してわかった事業承継の真相」という題でお話をさせていただく予定です。上記の企業理念が、 承継した企業の従業員にはどう思われているのか? 他社からの提案もたくさんあった中で創業者が当機構を選んだポイントは何だったのか? ある支援者の方はなぜ当機構のファンドに資金を投じたのか? などなど、ここでは書けなかったドラマも含めてお話ししたいと思うので、時間が許す方はぜひ半蔵門まで足を運んでいただければと思います。
今年も皆様にとって、そして子や孫の未来にとって、良い年にしていきましょう。

