当機構の活動について記した書籍『事業承継プラットフォーム』
が、全国の書店やAmazon、楽天等で販売開始になった。
さわかみ会長の「長期投資家日記」
でも取り上げていただいたので、
既にご存知の方も多いかもしれない。
事業承継に悩む「創業者」、
やる気はあるけど一人では不安な「承継者」、
どう支援したらよいのかわからない「支援者」、
の3者を中心に、
「当機構はなぜ5000社の事業承継に取り組むことにしたのか」
「事業承継問題の本質的な課題」
「子や孫のために出来る具体的なことは何か」
等を、なるべくわかりやすい言葉で書き下ろした本なので、
事業承継に関心のある方にはぜひご一読頂きたい。
また、ありがたいことに、お読みいただいた方から、
HP経由で多くの激励の言葉や支援参加の申し出を頂いた。
とても励みになり、うれしく思う。
当機構の活動の社会的責任と、社会的期待の大きさを、
社員一同再度強く認識し、
引き続き事業の推進に全力で当たっていきたいと思う。
驚いたのは、日本を代表するような大企業の、
元社長や役員クラスの方からの問い合わせや支援の申し出が、
既にかなりの数に上っていることだ。
これらの方々とは順次お話しさせて頂いているが、
その中で再確認できたのは、
事業承継問題は、
ほぼすべての日本人、企業、地域に深く関係し、
日々悪影響を及ぼしている、
現在進行形の問題だということだ。
お話を伺うと、
事業領域が広い大企業である程、
そしてその全責任を担っている経営トップに近い程、
取引先の事業承継問題の頻発を通じて、
その悪影響の広さや大きさを実体験していた。
また、その解決方法を自社で検討した結果として、
事業承継問題の根深さや、
既存の方法(ファンドやM&A仲介等)では
本質的な解決策にはならないことを、
経験を通じて実感していた。
中には、
「当社のバリューチェーンを支える下請け企業が、
数10社単位で事業承継問題を抱えている。
(それは、大企業自体の競争力の維持にかかわる問題だ)
これらをまとめて当機構で残す仕組みを構築してもらえないか?」
というご要望を頂いた例もあり、
早速検討に着手し出した例も出てきている。
これまでも何度か主張してきたが、
「事業承継問題は日本全体の問題であり、他人事ではない」のだ。
中小企業は日本の産業の土台であり、基盤であり、宝である。
その土台が崩れていく中で、何もせず放置すれば、
その悪影響は、中小企業のみならず、大企業にも連鎖するのだ。
上記の反応を受けて、
先月当機構では、急遽社員総出で作業を行った。
本書籍に提案書を添えて、
日本を代表する大企業のトップの方々と、
地域を支えることを使命とする地方銀行のトップの方々に、
数100冊を献本させて頂くことにしたのだ。
今後、どの企業・どの地銀から、
どのような回答があるのか(あるいは、なんの回答もないのか)、
今から楽しみにしている。
その回答は、その企業や地銀の社会的責任活動への取り組み、
すなわちSDGsやESGへの取り組みの本気度を、
自ずから明らかにしてくれるだろう。
もしかすると、その企業や地銀の今後の命運を左右する
ことになるのかもしれない。
当機構は、
強欲資本主義をベースに活動するファンドとは一線を画し、
「現在の株主のためだけに働くこと」を求めない。
それは、資本主義の論理を都合よく解釈した、
私欲のための我田引水的な活動であり、
長い目で見れば社会的責任とは逆行すると考えているからだ。
むしろ逆に、現在の株主としての利益を多少減らしたとしても、
「過去から未来にわたる多くのステークホルダー」
に対する社会的責任を総合的に考えて活動することを推奨し、
また当機構の活動指針ともしている。
そして、当機構と同じように、
「社会的責任を長期にわたって本気で果たしていこう」
という考えを持つ大企業や地銀と広く協力して、
「日本のため、子や孫の未来のために」
事業承継を進めていきたいと思っている。
どこからどのような回答があり、
どんな共同につながるのか、
まだ結果は先だろうが、今からとても楽しみにしている。