皆様、明けましておめでとうございます。
さて、本日の題を見て、どきっとされた方もいるのではないでしょうか? シンプルな質問ですが、即答できる方は案外少ない質問だと思います。実はこれ、年始に当たってJSK(事業承継機構の略称です)のメンバーにディスカッションしてもらった議題です。正解がある問いではありませんが、仕事始めに当たって自己認識して頂くための問いかけです。(皆さんも一瞬立ち止まって、お考えになってみてはいかがでしょうか?)
ちなみに我々の答えは、「JSKは社会問題(特に事業承継問題、シニア雇用問題、預貯金問題)の解決者として、子や孫に未来(雇用と経済)を残すために働く」というものです。
そこで今回は、年始に当たって当機構の過去5年を振り返り、次の5年を展望しながら、JSKのメンバーについて紹介していきたいと思います。
まず過去5年の振り返りですが、おかげさまでJSKは2023年11月に設立5周年を迎えることが出来ました。5年前にさわかみグループに間借りした小部屋で、熱い理想だけを持ってたった3人でゼロから始めた事業でしたが、いまでは2023年末時点で現実に14社を承継し、グループ売上100億円強、従業員730名超のグループに成長することが出来ました。これも、皆様のご指導ご鞭撻のおかげと、厚く御礼申し上げます。
立ち上げ期特有の企業の基盤整備負担もあり、また社会的にもコロナ禍で活動が制限されたこの5年に限れば、おそらく日本でももっとも急成長した企業の1つであり、下位の上場企業並みの規模にはなったのは客観的な事実だと思いますが、まだまだこれは序の口に過ぎません。なぜなら、JSKが目標とする、日本の社会問題を解決して子や孫の世代にリアルな社会インパクトを出す存在としては、まだまだ小さすぎるためです。
だから次の5年は、これまで5年で構築してきた骨太の仕組みを回転させて、社会に相応のインパクトを出すための「骨太の成長」の時期だと考えています。そのために、JSKは本年も引き続き「年率3倍」のペースでの実業の成長を目指し、「5000社の事業承継」というムーンショットビジョンを現実にして子や孫に雇用と経済を残すべく、取り組んでいく所存です。
さて、本日の主題に入りましょう。過去5年間に、JSK本体のメンバーは40名を超える規模になりました。正直、社長の私も想定しなかった非常にユニークな集団になりましたが、その特徴をご紹介していきます。
まず第1が、平均年齢が63歳と、シニア中心の集団であることです。これは、主にJSKの理念に共感頂いた方が、圧倒的にシニアが多かったことが主因です。冒頭の質問に対するJSKメンバーの答えでも、「社会の役に立ちたかったから(自分のためよりも)」という声が、圧倒的に多かったことがその証拠だと思います。事業承継というのはシニア問題の1つであり、だからこそシニアの方が実感をもって理解しやすいのかもしれません。
「人は自分のために頑張るよりも、他人のために頑張る方が頑張れる」と私は考えており、自分よりも社会のことを考えて共に働くメンバーが集まってくれたからこそ、過去5年でこれだけの急成長を遂げることが出来たのではないかと考えており、メンバーには心から感謝しています。また同時に、これから先も、先人のいない巨大な社会問題の解決に向けて共に挑戦していけることに、とてもワクワクしています。かつてあるオーナー社長から「僕は毎日、小学生が遠足に行くような気持で会社に行くんだよ!」とお聞きしたことがありますが、今、私は毎日そんな心境です。
2つ目の特徴は、人格者が多いことと、そのキャリアの豊富さです。大きく分けると2タイプのメンバーがおり、1つが約10名強いる「社長経験者」です(中には上場企業の社長経験者もいます)。事業承継を行ううえでは、社長の役割を引継ぎ、また次の社長を支えていくことが重要なのはいうまでありませんが、その際には、やはり自ら社長として、ザ・ラストマンとしての権限と責任と覚悟をもって、経営の任に当たった経験のある方の知見がなにより助けになります。経営においては、成功経験ももちろん大事ですが、失敗経験もとても大事であり、この経験値の多さはJSKの大きな強みになっていると確信しています。
もう1つは、この道40年という「専門家」です。JSKでは、営業、マーケティング、生産などのフロント業務から、経理財務、人事労務、採用、法務、内部監査、コンプライアンス等の本社業務に至るまで、多様な分野の専門家として、各業界で豊富な経験を積んだ方々が承継先の中小企業を全力でお手伝いしています。こういった方々の知見を得られる機会は個々の中小企業ではなかなか難しいのですが、JSKがプラットフォームとなることでその知見を承継先企業に提供できるのも、JSKの大きな強みになってきています。
余談ながら、JSKにはお酒が強いメンバーも多いです。毎月数名単位でメンバーが増えていることもあり、JSKでは毎月第1水曜日に定例歓迎会(という名の社内飲み会)を本社オフィスで開催していますが、先日も一升瓶6本、ワイン10本、缶ビール100本ほどが2時間弱できれいに消費されました(いわゆる昭和世代のメンバーが多いこともあり、その後自主的に2次会3次会と行くメンバーも少なくありません)。JSKは、業界もバックグラウンドも全然異なるシニアの方が、60歳を超えて新たな仲間と出会い、お互いに学びあい、協働できる「場」でもあります。また、まだ白いキャンバスの若手が、大企業内なら赤絨毯の奥の重役室にいて直接話す機会などまず得られないシニアの社長経験者等から、気楽にお酒を酌み交わしながら人生を学べる「場」でもあります。こういった場の創造・提供は京セラのコンパにならって開始したものですが、社員の物心両面の充実にも貢献できているのではないかと思っています。
JSKの社長として、今年はこれまでで一番楽しみな1年だと思っています。(そもそも、JSKの事業は立ち上げ期がもっとも困難なことは前提であり、年を経るごとに苦労は半減し、楽しみが倍増していく設計を設立時にしたために、常に「一番楽しみなのは今年」でもありますが)。
過去5年で確立した事業基盤とプラットフォームを本格稼働させることで、より大きな社会インパクトを創出し、日本の未来に影響がある規模で子や孫の雇用と経済を残せる存在になることを目指し、メンバー一同本年も全身全霊を捧げて事業活動に邁進していく所存ですので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。