廃業に関して、先日、NHKの番組で「おくりびと」
というサービスが取り上げられていた。
映画の話ではない。
「企業の廃業を支援する」というサービスだ。
一部の税理士や弁護士が中心になって、始めているらしい。
当機構とは対象が異なるが、面白いサービスだと思った。
大廃業時代に、必要なサービスでもあるだろう。
当機構は、当面5000社、最終的に17万社を
承継するという計画を策定し、発表した。
それは、子や孫のために日本の未来を残すための、壮大な挑戦だ。
しかし、裏を返すと、それでも、
127万社ー17万社=110万社、
つまり約9割は対象外になってしまう。
これは、機構が計画を策定するときにも大いに議論し、悩んだことだった。
だが、選択と集中は、ビジネスの肝だ。
そして、我々は、その勘どころを外すつもりはない。
また、外してしまえば、1割の企業を残すことも、結局できないだろう。
「どんな会社でも承継してもらえるの?」
と、よく聞かれることがある。
だが、それは当機構の理念とは異なる。
当機構が残すのは、
「子や孫の未来に、我々が本気で残したいと思う企業」
「=残さないと、子や孫が困る企業」
「=生活者として、必要な企業」
なのだ。
ここは、さわかみ投信が「生活者目線」で投資先を選ぶのと、
通じるところがある。
時代のニーズや市場原理に合わない企業を残すのは、
子や孫のためにも、日本のためにも、正しいことではない。
経済的にも、不可能だろう。
おくりびとサービスは、そういう会社が、
「企業としての終活」を行うのを支援するサービスなのだろう。
当機構とは対象が異なるが、
今後「おくりびとサービス」がどのように展開していくのか、
注目している。