①中小企業への影響
中小企業は、全企業の99.7%、雇用の70%、経済の55%を占めている。
数字で見ても、日本の基盤であり、宝である。
だが、その1/3の、127万社の就職先、1,100万人の雇用、38兆円の経済が、事業承継問題を抱えている。
・・・ここまでは、よく言われていること。
だが、数字が大きすぎて、理解しにくい人も多いだろうから、さらにわかりやすくしてみよう。
これを、1日あたりに換算すると、
「今日も含めて、毎日174社が廃業し、1,506人が職を失い、52億円がなくなっている。」
それが毎日、20年続く。
これだけで、トヨタが10回倒産する位の、巨大な悪影響が生じることになる。
もしトヨタが本当に10回も倒産したら、日本はどうなる?
多くの人が職を失い、日本から多くの技術が消える。
間違いなく、大ニュースになるだろう。
(ちなみに、経営不振であれだけ大騒ぎしたJALは、規模で見ればトヨタの1/10以下だ)
それほどの影響があるのだが、中小企業は、長い時間をかけて、小さく分散して廃業していく。
だから、気づきにくいし、ニュースにもしにくいだけだ。
②大企業への影響
さらに、中小企業だけの問題ではない。
大企業への影響もある。
中小企業の48%は大企業の下請である。そのため、中小企業が廃業すれば、大企業も困る。
自動車産業を例に挙げれば、トヨタ1社の下には、29,315社の下請会社があり、135万3,193人が働いている。
下請である中小企業が廃業していくと、これまで当たり前に出来てたこと(技術・価格・品質等)ができなくなる。
最近日本車のリコールが多いのは、事業承継問題と無関係ではない。
土台の力が落ちていくから、品質問題が次々起こるのだ。
放っておけば、リコールや不良品による事故は、今後も増えていく。
③子や孫への影響
最も知られておらず、最も深刻なのが、子や孫の社会への影響だ。
これが、私が他人ごとでは済まないと強調する理由でもあり、
また当機構が大規模に事業として取り組むことを決めた理由でもある。
多くの中小企業がこのまま廃業すると、「インフラや治安が維持できなくなる」のだ。
中小企業も、固定資産税や消費税を払い、給与を通じて所得税を払い、利益が出れば法人税を払っている。
その納税者が、毎日174社ずついなくなれば、大きく税収が減る。
(中小企業は、存在しているだけで、大きな富を生んでいる。)
さらに不都合な真実として、毎日1,506人が失職するため、生活保護や年金等の費用が増える。
自治体や国にとっては、ダブルパンチである。(ただでさえ、財政は火の車なのに。。)
財政が厳しくなると、シルバー民主主義の下では、どうなるか?
票につながる生活保護や年金を切れるか??(いや、切れない)
「票はほしい。でもお金は足りない。。。」あなたが首長なら、どうする?
結果、短期の悪影響が見えにくい(かつ大きな予算が見た目上削れる)インフラ維持予算が削られる。
それが数十年続いてきた結果、日本のインフラは既に朽ちつつある。
例えば、今後15,000以上の橋が落ちると予想されている。
(50年以上放置されてる橋が、それだけある)
子や孫の世代では、晴れた日に気持ちよくドライブしてたら、橋が突然落ちて死ぬのだ。
道路も、年に3000箇所以上が、突然陥没している。
子供が登下校中に穴に落下して怪我したり、死亡する事故が、年に何件も起きている。
(以前は珍しくてニュースになったが、最近は頻繁に起こるため、ニュースにすらならない)
水道管も、年2万以上の水漏れが起き、毎日50件以上のトラブルが起きている。
そうなれば、過疎化する。
不便なところから、人は逃げるからだ。
そして、例えば島根県の人口は、大正時代を下回った。
(1925年(大正14年) 722,402人 → 2018年(平成30年)689,817人)
人口が減ると、また隣の中小企業が潰れる。
中小企業が潰れると、、、(初めに戻る)
この問題は、連鎖性があり、加速度もあるのだ。
さらに、税が減れば、警察も消防も、役所も、今の行政サービスを維持できなくなる。
役人の給料も上げられず、公務員のモラルは地に落ちる(警官の犯罪や役人の不祥事などが増えるのは、この典型だ)。
そして、治安は悪化し、最後には民度も落ちる。
放っておいたら、これが我々が子や孫に残す未来のインフラであり、社会になる。
これは、私だけが言ってるわけじゃない。
世界的な投資家であるジムロジャースも、近著で「2050年の日本は犯罪大国になる」と明記している。
わかる人は、わかっている。(自分の頭で考えてみれば、ごく当然の結果だ)
その大きな一因は、いま、中小企業が廃業するのを放っておくことだ。。。。
そろそろ、他人事ではなくなってきただろうか?
中小の事業承継問題は、「自己の利益だけを求めた、短期資本主義に基づく投資」で、
ビジネスとしてうまみのある1%の中小企業を残すだけでは、決して解決しない。
部分だけ解決しても、全体を解決しなければ、いずれ日本は、土台ごと沈没してしまう。
そうしたら、子や孫の未来は、悲惨なものになってしまうだろう。。。
だから、当機構は「日本のために。子や孫の未来のために。」、
ファンドや企業とは全く異なる仕組みを用意して、
大規模に中小企業の事業承継に取り組むことを決めたのだ。
それは難関だ。
(その難しさは、20年以上自ら試行錯誤してきた私が、一番よく知っている)
だが、大義ある、壮大な挑戦だ。
誰かが先頭に立って、やらなければならない。
だから、当機構は挑戦することを決めたのだ。
志ある方、一緒にやりませんか?
同志求む。