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雇用と経済を残す、とは?

あけましておめでとうございます。当機構は今年も全社一丸となり、「子や孫に雇用と経済を残す」「そのために事業承継問題の全面的解決を目指す」ことに全力を尽くしてまいります。本年もよろしくお願いいたします。

ところで皆さん、「雇用と経済を残す」というのはどういうことでしょうか?説明できますか?なんとなくわかったような、でも具体的に質問されると答えられない、と言う方も、意外と多いかもしれません。そこで、今日は具体的に数字でご説明していきたいと思います。

まず、雇用を残すとは何か?当機構が承継して残した雇用は300人を超えました。そして、グループとして年間10億円超の給料を支払いました。この給料で、従業員や、その家族の生活を支えています。この「給料を払う」ということが雇用を残すということであり、これが当機構の活動目的です。当機構の目的は、いわゆる資本主義でいう「株主利益の最大化」ではなく、この「給料を支払い(出来れば増やし)、国民の生活を根っこから支える(出来れば改善していく)」というところにあるのです。

それでは、経済を残すとは何か?当機構が承継して残した経済(売上)は、40億円を超えました。企業が生み出した製品やサービスは、社会に有用であれば、売上になります。それは、取引先やお客さんにとって価値のある製品やサービスを生んでいるということであり、ひいてはその取引先やお客さんの生活を支えることなのです。だから、当機構の目的は、いわゆる資本主義でいう「株主利益の最大化」ではなく、この「売上を維持し(出来れば増やし)、取引先やお客さんの生活を根っこから支える(出来れば改善していく)」ことなのです。

つまり、「給料を払って従業員の生活を支え、売上(付加価値)を創出して取引先やお客さんの生活を支える」、これが当機構が目的としている「雇用と経済を残す」という活動なのです。株主の利益が第一、とは真逆の活動とも言えます。

サラっと言いましたが、これって実は、なかなか大変なことなんです。(設立5年目に入ったばかりの中小企業がやっていることとしては、なおさら)。なぜか?当機構がなかったら、これらの雇用はいずれなくなっていたことでしょう。だとすると、300人の失業者が生まれます。その人たちの生活はどうなるでしょう?若い方はすぐに転職できるかもしれませんが、特に高齢者になると転職活動はまだまだ簡単ではありません。職を失ったらどうしますか?失業保険や生活保護、あるいは年金という国の制度もありますが、それは結局国の財政負担になります。300人に年100万渡す(家族が居たら、これではおそらく足りませんが)だけでも、国費は毎年3億円かかるのです。(年金を含む社会保障費用はいまや国家予算の1/3超を占めており、かつ年々増加しています)。そのお金は、誰がどうやって払うのか?結局は皆さんや子や孫を含む、納税者が払うことになります。また、失業すると、おカネ以外でも、人生の満足度や、精神的な充実感が失われます。社会研究の結果、失業すると家庭不和が増えたり、犯罪率が上がって世の中から安心・安全が失われていくこともわかっています。

かの稲盛氏もこう言っています「1人で食っていくのすら大変なのだ。その中で、10人の従業員を養って食わせている中小企業の社長は、とてもえらい人なのだ」と。そう、多くの中小企業の社長は、ただ資本主義に則って「株主利益最大化のために」事業をしているのではないのです。世の中に便利な製品やサービスを生み出して皆さんの生活を支えており、取引先に不可価値を提供して取引先の社員の生活を支えており、さらに給料を払って自社の社員の生活を支えている、それが中小企業の社長なのです。

ただ、このえらい社長の仕事は、えらい(しんどい)のです。だから、継ぐ人がいないのです。若い世代の方には逆に、「株主(である自分)の利益だけを、早く、ラクに儲けたい」という方もいます。それなら、逆をやればいい。つまり、多くのIT企業などにあるように、出来るだけ原価(取引先への支払い)を抑え、労働分配率(人件費/売上の比率)も低く抑えて、ただ株主の利益だけを増やせばいい。実際に、GAFAなども含めて、最近はやりのIT企業などの多くはこういう構造になっています(だから利益率が高いのです)。ただ、冷静に見ると、これらの上場企業は、どれだけのヒトを食わせて、国民の生活を支えているのでしょう?

当機構の売上よりも低い売上でも上場している企業は2000社近くあります。また、従業員数が当機構の規模を超える企業は、そもそも日本に1%程度しかありません。上場企業の平均従業員数は114名であり、当機構の1/3程度です。このように、そもそも、「株主の利益」を目的とする会社と、「雇用と経済を残す」ことを目的とする当機構は、「ヒトを食わせて、国民の生活を支える」という視点で見ると、まったく異なる存在なのです。効率的にカネを稼ぐことと、国民の生活を支えることは、同じではないのです。

そんな中、当機構は年率にして「3倍3倍」の成長を目指しています。なぜか?簡単な算数です。1から始めて、2の10乗は1024です。つまり、「2倍2倍」では、当機構が目標とする10年で5000社の承継には、達成しても届かないのです。(3倍3倍なら、59049社になります)。社会的に必要なことなら、大規模にやる必要がある。5社や10社承継したところで、それは127万からある事業承継問題の全面的解決という視点から見れば、大した貢献にはなりません。まして子や孫に雇用と経済を残す、という規模にはなりえません。だから、当機構はそれが困難な挑戦であることを理解した上で、年率3倍3倍の成長を目指し、日々真面目に泥臭い活動を続けています。

当機構は9月決算であり、今期もはや3カ月が過ぎました。支援者のみなさんには、各決算毎に「運用報告会」を行ってご報告して参りますが、おかげさまで上期中に2倍になることは、ほぼ見えてきています。あとの1倍分は、日々真面目に泥臭い活動を社員一丸となって続けながら、明るく元気に達成していきたいと思っています。

すべては、子や孫に未来を残すために。

 

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