厳しい時こそ、物事の本質がよく見えることがある。
今のコロナ禍で、生活必需品を扱う企業が、
ないと困る企業と再認識されているのが、その好例だ。
これらは、コロナ流行の前には、
いずれも「儲からない」という理由で、
資本市場で不人気だった企業群だ。
食品、運送、生活用品、
交通、電力、ガス、水道、通信等のインフラを手掛ける
企業が、その代表例だろう。
「早く、ラクに儲かるわけではないが、生活に必要な企業」
というのは、
こういう苦境のときこそ、良く見えるものだ。
そして、我々が残そうとしているのは、こういった企業だ。
医療従事者への賛辞はネット上にならんでいるが、
これらの企業への賛辞は少ないようだ。
だが、スーパーのパートさんから、
宅急便の運転手、
見えないところで生活必需品を作り続けている労働者や、
インフラを動かし続けている企業関係者に至るまで、
これらの人々は、医療従事者と同じくらい、
コロナの感染リスクを覚悟の上で、
人々の生活を支えるために活動してくれているのだ。
「政府の外出自粛命令に従っても、
ほとんど変わらぬ生活ができる」
という環境を提供してくれているこれらの方々にも、
医療従事者に対すると同様に、心からの感謝を表したい。
本質的に、
人の生活に欠かせないものというのは、
資本主義が暴走しようと、
民主主義が機能不全を起こそうと、
そう変わるものではない。
太古の昔から、現在まで、
人の生活に本当に必要なものは、
ほとんど変わっていないのだ。
だが、資本主義の世界では、
「自分だけが、早く、ラクに儲ける」ために、
皆が血眼になって競争し、走ってきた。
たとえば、「効率化」の美辞麗句のもとに、
企業の資本を極限まで薄くして借り入れを増やし、
株主に配当を払うことを賞賛してきたのがその一例だ。
これは、いわゆるトレーダー族の、
「表が出れば私の勝ち、裏が出ればあなたの負け」という、
どうなっても自分だけは、早く、ラクに儲ける
ことを追求した結果、生まれてきた理屈だ。
航空会社のような、
本質的にリスクが高く、資本余力が必要な企業に、
株主の強権をずる賢く使って、
借入を原資に配当をぎりぎりまで吐き出させて、
自分だけ、早く、ラクに儲ける。
そして、今回のように、
事業上本来想定しておくべきリスクが発生し、
いざ経営危機になったら、
「株主は有限責任」と主張して知らんぷり。
税金(=あなたのお金)で救ってもらおうとしているのは、
まさにその一例だろう。
自分だけ、早く、ラクに稼ぐことを追求するから、
そういうことがおこるのだ。
そして、「自分だけ、早く、ラクに稼ぐ」ことを追求する限り、
残念ながら、同じことは今後も繰り返されるだろう。
今回は、たまたまコロナが発火点になっただけだ。
資本主義の欠点を補完しない限り、
別の原因によって、今後何度も同じことが度々おこるのだろう。
先日、ある経営者の方とこんな話をしていたら、
「御社はSDGsを手掛けるソーシャルベンチャーなんですね」
と言われたことがあった。
「SDGsソーシャルベンチャー」という
自己認識はしていなかったが、
「当たり前のことを、当たり前に正しくやる」ことを、
世間で「SDGsソーシャルビジネス」というのなら、
当機構はたしかにそうなのかもしれない。
当機構としては、
当然にそうあるべきことを、当然にやっているまで、
なのだが。。。
なお、SDGsの定義を調べてみると、
いずれも「子供ならわかる」当然のことばかりだ。
逆に考えると、
「子供ならわかる」当然のことを、
何か特別な事のように、わざわざ「SDGs」という
標語をつくって取り組まなければならないほど、
資本主義の欠点は拡大してしまっているという証にも思える。
我々は、その資本主義の欠点を解明し、
補完する仕組みを構築して、
子や孫の未来に本当に必要な企業を残すために、活動している。
それは、
「自分だけ、早く、ラクに稼ぐ」ことを追求する
強欲資本主義ビジネスとは、一線を画した活動だ。
全人類に幸運があり、
コロナ騒動が早く収まればよいと思う。
が、ワクチン開発がなされない限り、本格的な収束は望めない。
そして、そのためにはまだ時間がかかりそうだ。
だが、各国政府は「国民の命や、未来の子や孫の負担」よりも、
「自身の政治生命を維持し、次の選挙に勝つために」
国民の命を危険に晒して拙速に経済を再開し、
子や孫の世代に巨額の借金を押し付けて
より大きなバブルを起こすことで、
過去のバブルの過ちを覆い隠そうとしているようにも見える。
資本主義×民主主義の欠点が、
どんどん浮き彫りになってきているのだ。
その結果、
たとえ今回はラッキーでコロナが収まっても、
今後の経済は、相当に荒れる嵐のような局面が続くだろう。
既に新興国ではデフォルトが出てきているし、
人為的なバブルで一時的に強引にしのいでも、
最後は猛烈なインフレがやってくる。
しっぺ返しが避けられないのは、
歴史が繰り返し示してきたところでもある。
だが、そんな嵐があっても、本当に必要な企業は生き残れる。
経済的に嵐が吹いても、人々の生活は変わらないからだ。
その嵐の時に備え、
1社でも多くの「子や孫に残したい企業」を承継し、
生き残るのを助ける「箱舟」となり、
未来に残していくために、
仲間を増やし、協力者を増やして、
活動をペースアップしていこう。
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