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金を求めすぎれば、未来を失う

今のバブル崩壊を、よく表す話があった。

 

 

そして、それは環境問題にも、

事業承継問題にも同じく通用する、

原則の話だった。

 

 

こんな話である。

 

 

1万ドルで売れるシロナガスクジラが、世界に7.5万頭いるとしよう。

 

 

自然の摂理を踏まえ、毎年生まれる子クジラの数と同じ2千頭だけ捕獲して、

年2千万ドルずつ儲けるなら、将来にわたって永続的に漁が出来る。

 

 

一方、一気に7.5万頭を一気に捕獲すると、7.5億ドルが手に入る。

その資金を年利5%で運用すれば、毎年3750万ドルが手に入る。

(クジラは、絶滅する・・・)

 

 

つまり、鯨の将来を考えながら捕獲するより、

すぐに全部捕まえて現金化して、

あとは金融でラクして稼ぐ方が、金としては80%以上もトクをする。

 

 

さて、皆様ならどうするだろうか?

 

 

これが、現代の資本主義の姿である。

(さしずめ、絶滅するクジラは環境であり、未来の子や孫である)

 

 

資本主義とは、カンタンに言えば、早く、ラクに稼ぐこと。

 

 

みなこの道をまっしぐらに、過当競争をして、突き進んでいる。

 

 

その結果、バブルが起こる。

環境問題も起こる。

そして、事業承継問題も起こるのだ。

 

 

カネを求めすぎれば、鯨がいなくなるように、

カネを求めすぎれば、未来がなくなるのだ。

 

 

年に2千万ドル(約21億円)あれば、十分に裕福に生きられるだろうに。

それが80%増し(約40億円)になったところで、使い切れるわけでもない。

ただ、銀行預金の数字が増えるだけ。

 

 

人間1人の生活に必要なのは、1日3食と、立って半畳、寝て一畳だ。

 

 

つまり、資本主義には、儲けを自制する志

(澤上龍社長は著書の題で「儲けない勇気」と表現した。良い言葉だと思う)

が、絶対的に必要なのだ。

 

 

そして、それが今の資本主義に、欠けているものなのだ。

 

 

ここで、事業承継を考える創業者の方に、ぜひ考えてみてほしい。

 

 

あなたが少しでも多くの金額を得るために、

オークションをして、ファンドに会社を売ればどうなるか?

 

 

ファンドは、何もせずにたった2,3年持った後に、

たとえば最高値を出す中国企業に喜んで転売するだろう。

 

 

強欲資本主義の勝者は、いまのところ、中国だ。

 

 

他の先進国の企業は、株主や従業員、環境のことを考えて、

法規制に則って、銀行や市場から資金調達をしなければならない。

だが、中国の企業はこれらのことを全て無視して、

しかも国から莫大な補助金を得て、最高額を払えるからだ。

 

 

オリンピックに例えれば、

同じ100m走をするときに、

片方は自然の素のまま素足で走り、

片方はドーピングをしまくって、かつブースター付きのロケットに乗って、

競走するようなものだ。

 

 

勝てるわけがない。

 

 

だから、ファンドが売るときは、中国企業が買手として一番おいしい相手だ。

実際、現実的にも、ファンドの売却先としては中国企業はとても多い。

(ただ、ファンドとしてイメージが悪く、都合が悪いから、開示していないだけだ)

 

 

だが、創業者は、本当にそれでいいのだろうか?

知らないから誤った選択をしてしまっているのではないか?

 

 

たとえば、売却後に従業員はどうなるのか?

創業者のために長年尽くしてくれた従業員は、カンタンにクビにされるだろう。

 

 

長く戦友として付き合ってきた協力企業や取引先だって、切られるだろう。

 

 

愛着と思い入れのある工場だって、壊されて、金ぴかの下品なビルになってしまうかもしれない。

 

 

私が尊敬するある人が、「金融に携わる者には自制が必要だ」と言っていた。

真実だと思う。

 

 

今や金融は、ごく身近で、スマホから誰でもアクセスできるものになった。

 

 

だから、問われているのは、人々の自制なのだ。

 

 

その自制がなければ、

事業承継問題で絶滅するのは、クジラではすまない。

日本人であり、子や孫が絶滅するのだ。

 

 

創業者の方々が、お金を求めるのはわかる。

 

 

ある程度までは、当然の報酬だとも思う。

 

 

中小企業の創業者の大半は、

人生のほとんどをお金で苦労してきたのだから。

最後くらいは、大金を得て卒業したい気持ちも、よくわかる。

 

 

だが、そこで自制が利くかどうかが、

創業者としての最後の仕事を、そして会社からの卒業を、

花道にするか、泥道にするかの分かれ道だ。

 

 

残り人生で使い切れないような少しのお金の差に惑わされて、

最後の大事な選択を誤ったら、

そしてそれはこれまで尽くしてくれた従業員や取引先を不幸にし、

いずれ子や孫を滅ぼすことにつながるのだとしたら、

お金以上に大事なものがあることに、

違う選択をするべきことに、気づきませんか?

 

 

我々日本人は、

祖先が我々にしてくれたように、

子孫に対してする義務があると、

私は思っています。

 

 

自分の世代で全てを取って食い逃げして、

子や孫に恨まれるのではなく、

祖先が我々にしてくれたように自制して、

一部を未来の子や孫のために残して、

末代まで子や孫に感謝されませんか?

 

 

当機構が行っている永久承継/永久投資は、

そのための、具体的な方法なのです。

 

 

具体的にご関心がおありの方は、

ぜひ当社HPのお問い合わせページよりご連絡ください。

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